ふくろうのはなし

フクロウ(不苦労)は縁起物。

お客様の玄関先にあったタヌキの置物に不意に足が当たってフクロウさんが割れてしまい…

お客様は僕の同級生のお母さん。「いいよいいよっ」ておっしゃってくださいましたが
縁起物だからって。僕の気が納まらんからって。なんとか替りのものを用意してくださるようにお願いしました。およそ10日くらいかな。御見積を持って行ったときに

「太ちゃん。きれいに治ったよ」ってお客様。

ん?治った?まじまじ見せてもらって確認。
もちろん、陶器でできたものは元通りにはならないよ。
新しいものを用意してくださったようで。
気持ちがうれしくて。
お客様がこれを読んだらごめんなさいだけど、あえて伝えたかった。
やさしいウソってのはやっぱりこの世にはあって、そのウソがとても心に心地よくて。
カタチがあるモノは、必ず壊れてしまう。
治すにも傷が生じたり、元通りにはいかない。

相手を想う気持ちは、元通り、いやそれ以上のカタチで修復される。
一方的ではなく、相手の立場に立って物事をみんなが考えてくれれば
より強い信頼関係で結ばれていく。
お母さん、本当に有り難うございました。